「天空の秘宝」ウィリアム・C・ディーツ天空の秘宝 (ギャラクティック・バウンティ ハヤカワ文庫SF)
アドベンチャーSFというのはSFガジェットを用いて書かれた冒険小説という理解でいいのでしょうか。
本書の内容は「賞金稼ぎの主人公が政府に依頼された仕事をこなしているうちにあれよあれよと人類の存亡を賭けた陰謀に巻き込まれてしまい、仲間に裏切られたり機転をきかせることで危機を乗り切ったり旅の途中で出会った美女と恋に落ちたりする」というハードボイルドとコンゲームを混ぜ合わせてSFで煮しめたような作品となっている。一人称じゃないしハードボイルドっぽい文体でもないけど。
主人公が目先の感情にとらわれすぎな点(対人評価をころころ換える)とややご都合主義的な点に目をつぶれば、あまり深く考えずに楽しめる娯楽作として及第と言える。