死神の精度

死神の精度

連作短編集。数日中に事故や他殺で死ぬ人と、本当に死ぬか先送りにするかを判断しに来た死神が出くわす事件を描いた作品。
微妙にピントをボケさせたような風の台詞回しやキャラ造形などが「伊坂らしさ」を演出している。ファンはこういうのを期待して読むんでしょ、多分。「主人公が死神」という設定をいろいろ生かしたプロットがいい感じです。死神が主人公でも不思議と違和感がない伊坂の物語世界。
どこかに行こうとする話とどこかに行きたくても行けないという状況の話が多めだけど、何か意味があるのでしょうか。「逝く」と「行く」を掛けたとか。……我ながらあんまりだ。


ある短編のトリック(ってほどでもないが)はアイシールド21にも出てきました。前日たまたま読み返していて、非常に驚いた記憶が。