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「光の王」ロジャー・ゼラズニィ
卓越した科学技術を有し、その力で世界を支配する神々（の名前を冠する超人）の壮絶な内輪モメを、やたらとキラビヤカに装飾された文章で綴った伝奇SF。インド風の名前で呼ばれる超人たちが、外科手術や薬物投与によって手に入れた強靭な体力、精神力で、荒唐無稽なまでに強力な威力を持った武器や超能力（必殺技）を駆使して闘いを繰り広げる。戦闘場面は山田風太郎の忍法帳シリーズさながらのテンションの高さで進行していき、最終的には全世界（神、人間、ゾンビ、先住生物）を巻き込んでのハルマゲドンに突入。すごすぎ。
母惑星から移住してきた第一世代が新たな居住惑星を支配する為に作った社会構造の根本にインド神話を採用したって設定もなかなかトばしてます。要するに神は支配階級で、人間（神々の子孫）は被支配階級として搾取されつづけるという世界観なのね。個人の生涯における記憶を読み取りその業の深さによって、次に転生する体を決定するというSF的輪廻転生とかもいい感じ。
大まかなストーリィは「神々だけが科学力を独占するのはよくないと考えた一人の神が、人間たちにも科学的発展をもたらす機会を与えようと試みるが悉く失敗。でもいつのまにか神々の中にも自分に味方するやつらが出てきて、そいつらと一緒に力を合わせてこの世界を革命しようとする」という話です（こう要約すると少年ジャンプのバトル慢画みたいですね）。主人公が説く（提唱する）のが仏教的世界観ってところが話の肝ですか。
一昔前のジャンプとか山風とかそういうノリが好きな人にお勧め。あと、ゲーム帝国とか。