嗤う伊右衛門京極夏彦
その充足、達成の過程において他を顧みることのない欲望に支配された登場人物たち。その中において主人公である伊右衛門と岩たちが育むのはお互いの精神を尊重する「純愛」であり、だからこそその「純愛」っぷりが強調されていると解説されていました。実際そうなんでしょう。それにしても作中歪んだ近親相姦多いね。
この作品においてほとんど感情をあらわさない伊右衛門が、初めてその内に秘めていた思いをぶちまけ、ついでに敵の血もぶちまけるチャンバラシーンは圧巻。京極はケレンみの強い話書かせるとうまいね、やっぱり。