幼年期の終わりアーサー・C・クラーク
SFの古典的名作長篇。こーゆースケールが大きくて結末が抽象的な作品には、この時期に書かれたSF特有の「空気」が備わっていると個人的には思う。つまり「科学的発展、成長ヘの漠然とした期待感」みたいなの。今こんな大上段に構えた作品を書こうとしてもなんらかのエクスキューズが必要になる(と思われる)し、この時期にしか書けなかったんじゃないでしょうか、こういう作品。だから歴史的に価値があるんだろうし。何だか皮肉めいた物言いですが、けっしてつまらなかった訳ではなく、十分楽しんで読みました。なんとなく植民地政策を肯定しているように読めるところも興味深い。幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))