2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「奇想、天を動かす」島田荘司 個人的には、社会派ミステリ風リアリティとアクロバティックな物理トリックって食い合わせが悪いと思う。 本書も犯人の過去が明らかになっていく過程と島田理論による謎の提示と解体の場面とがチグハグな感じに。 それぞれ単体…

「模倣の殺意」中町信 とてもスタティックな本格ミステリ。 時代を考慮に入れなくてもそこそこ楽しめると思うが、やはり似たような作品を先に読んでいると驚きは半減。伏線や構成を吟味して楽しみましょう。 しかし、某ミステリ作家(本書の版元からデビュー…

「タフの方舟2天の果実」ジョージ・R・R・マーティン 「タフ」完結編。やっぱり面白い。くやしい。ちなみにわたしはイーガンもチャンも好きです(帯参照)。 作品単体でのバランスは上巻の方がいいと思う。発表時期の問題もあるでしょうが。

「タフの方舟1禍つ星」ジョージ・R・R・マーティン 本書の作品は非常にスタンダードな設定ばかりで、道具立てもにも卓抜した独創性は感じられない。それなのに話の組み立ての巧さとキャラクターの魅力によってこんなにも面白いSFになるとは! ある程度展…

「ダブル/ダブル」(編者失念) ふたごやドッペルゲンガーをモチーフにした小説のアンソロジー。 「ゴーゴリの妻」面白すぎ。

「痙攣的」鳥飼否宇 現代美術やロックをテーマにした連作短篇集。 芸術にも音楽にも疎い私でも楽しめた。しかし、まさかこんな実験作とは思わなかったが。イカ? 系譜としては、山口雅也の「ミステリーズ」や法月綸太郎の「パズル崩壊」などの「前衛芸術的本…

「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男 記憶力のないわたしには家系図が欲しかった。じじいがカッコイイ。稲見一良みたいな。二十世紀をイヌ(軍用犬)を軸にして捉え直す的な見方をすると、断片的に過ぎる気がします。

更新が面倒なので一言ずつ。 「ギブソン」藤岡真 「ゲッベルスの贈り物」と同じ様な印象。中身が空疎になるよう、狙って造ってるんですな。