痙攣的「痙攣的」鳥飼否宇
現代美術やロックをテーマにした連作短篇集。
芸術にも音楽にも疎い私でも楽しめた。しかし、まさかこんな実験作とは思わなかったが。イカ
系譜としては、山口雅也の「ミステリーズ」や法月綸太郎の「パズル崩壊」などの「前衛芸術的本格」に連なる作品だと思う。
そして、先達よりも比較的ふつうのミステリだった…三作目までは。
ちなみに、全ての短篇に共通するファクターは「アイデンティティーの揺らぎ」。詳しく書くとネタバレになるので多言は避けるが、物語世界内にもメタレベルにも、その要因は働きかけている。