かなり直球のハードSFだが、登場する原理や事象の説明が平易かつ理解しやすい文で(独創的なアイディアとユーモアを伴って)なされているため、スムースに物語の世界へ没入できるようになっている。 「SFは好きだけどハードSFは難解だからちょっと敬遠」している向きにも安心な作品だろう。 主人公の天才科学者がマッドサイエンティストではなく温厚な紳士で、同乗する女船長との色恋沙汰があったり(間接的な描写だが)するなど、一般読者に親近感をもたらしやすいキャラクターとして造形されているところも、リーダビリティの底上げに貢献している。

というわけで、思う存分楽しんでください。>船長さん



蛇足:感想文の書影のフォーマットを変えたのは、作者の名前とか手入力するのがメンドクサいからです。徘徊老人さんのとこと被ってますが、うちは黒地からデザイン変える気がないのでいいかと。