「フリークス」綾辻行人
表題作は完全に作者の趣味で書かれた短編。別にわざわざフリークスを登場させなくとも、作中作(「どんどん橋」系の犯人当て小説)の問題は作れるだろう。こういうところから綾辻のガジェット志向が伺える。一文一文が比較的短くて常套句が多様されがちな、どちらかといえばデジタルな文体であることも、雰囲気作りのためだけにこういうガジェットを使っているのだろうなぁ、と感じさせてしまう一因かも。