今日は曾祖母の七回忌だったので墓参りに千葉まで行った。彼女は1905生まれ。生きていれば今年百歳になる。「明治大正昭和平成という四つの時代を生き抜いた彼女の人生はどのようなものだったのだろう」と私は車で移動中、想像を巡らす。霊園に到着後、速やかに親族一同で草むしり、墓石の清掃、献花をし、線香も焚く。親族全員が線香をあげ終わったとき、おもむろに伯父がコピー用紙を配りだした。私の手にも用紙が渡り、何が印刷されているのか確認する。そこにあったのはルビ付き般若心経。
「それでは皆さんで読経しましょう」ニヤリとしながら話す伯父。
「まさかこんなネタを仕込んでくるとは…」呆然とする私。
なんというか、
「血は争えないな」
と思った。