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砂漠

青春小説（らしい）。某国立大学の法学部に所属する同級生５人の大学生活を描いた物語となっている。
伊坂らしいテンポのよい会話や嫌みのないギャグで味付けされた文章が今作でも楽しめるのだが、ミステリ的な趣向やガジェットはやや消化不良気味であり全体としては散漫な感じ。
あまり芳しい評判を聞かない作品だったので「よし、じゃあ俺の感想ではなるべく誉めていくか」と思ったのだけど、そんな気も失せてしまうくらい中途半端な作品であった。物語の焦点となるキャラが絞りきれないままラストに向かってしまった感が強い。
クライマックスと（ミステリ的な）仕掛けが一応伏線になっているんだけど、いまいち盛り上がりに欠けるのである。