怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

ミステリ。あるべきものをあるべき場所に、がモットーの怪盗グリフィンが活躍する。
所々スマートじゃない部分も見られるけど、全体的には満足。
個々のエピソードが伏線になって物語のラストで回収される構造は、本格ミステリ作家法月綸太郎のメンモクヤクジョといったところか。
話の基調はシンプルな怪盗+冒険モノになっているが、架空の国の土着的風習を作者がもっともらしくでっち上げていたりと(言葉は悪いけど誉めてます、法月はこういうの得意ですな)ミステリ部分以外でも読ませる。
もちろん、抽象的なロジック及び入れ替わりのトリックなど、非常にこの作者らしい要素も入っています。これでファンも安心。
いたいけな子どもが読んで素直に楽しむもよし、大人が童心に帰って過去の読書体験を懐かしむもよし、擦れたミステリ読みが面白がるもよし、という見掛け以上に骨太な作品に仕上がっている。