ミクシィからの転載

頭脳派探偵アルバート・サムスンが活躍するシリーズの第二作目。
今回もサムスンは家庭にまつわる不幸な事件を調査するうちに自分自身が危険にさらされ怪我を負いつつ強がりや冗談を言いつつ彼女にプロポーズを断られつつダウナーな真相に辿り着く。
話の複雑さでは前作「A型の女」の方が上だし、ある程度読んでいけば真相が(おぼろげながら)わかってしまうだろう。
しかしこの作品のキモは事件の真相の実存にではなく真相の本質にあり、事件自体が単純な構造であるがゆえにかえって読者の心に訴えかけてくるのである。