ブルー・シャンペン (ハヤカワ文庫)

ブルー・シャンペン (ハヤカワ文庫)

SF。かなりほろ苦なSF短編集。といってもティプトリーの作品ほどには鬱にならないけど。
本書はペドフィリア身体障害者との性交、放尿、性転換、同性性交、自分のクローンとの性交、シリコン巨乳でのご奉仕などいった各種の変態プレイが含まれた素晴らしいSFである。(上記の要素と素晴らしさの間にはあんまり相関がない) ヴァーリィ特有の奇想を視覚的なイメージで巧みに描写した作品群はどれも完成度が高く、本質的なテーマを絶えず読者に問いかけてくる。
発端から読者を物語に引き込む力が尋常じゃないので、退屈な(特に状況説明に筆を費やすタイプの)SFが苦手な方にもお奨めである。